「レシートいるう?」と、レジ打ちのおじさんにいきなりタメ口で聞かれたからびっくりした。
「はい、お願いします。」
私は手を差し出して、お釣りの小銭とレシートを受け取った。
おじさんは再び私に目を合わせることなく、「いらっしゃいませえ。」と次のお客さんに声を掛け、私は袋詰めに向かう。
背中から聞こえてくるおじさんの敬語を聞いて、さっきのは聞き間違いではなかったと、くつくつ笑いが込み上げてきた。
レジに並ぶとき、有人にいくか無人にいくかの判断について、皆どうしているのだろう。
私は、買い物の量が多いときに、有人に並ぶ。商品を自分でスキャナーに通すのが面倒くさいからだ。せっかく店員さんが立ってくれているのだから遠慮なく活用させていただいている。
以前は、買い物量に関係なく、無人レジに並んでいた。店内アナウンスに惑わされて、そちらのほうが早いと信じていたからだ。
時々同じものを誤って2度スキャンしてしまうというアクシデントが発生したが、たいていはスムーズにレジを通ることができた。
しかしある時気づいた。
無人レジは思ったより早くない。
レジの列が長く渋滞することもあるし、そもそものお話で言えば、私は、無人レジが苦手だったことが分かったのだ。
自分の番が来たらまず、スキャン台の前に行き、買い物かごを右側か左側に置いて、その反対側にエコバッグをセッティングし、画面上で「買い物袋不要」を選択する。
それから、商品を一つずつスキャンしていく。
値札の付いていない野菜や果物は画面上から対象のものを選択してエコバッグに入れる。
また、お肉や魚のパックは、端から水滴が漏れ出てきたときのために、スキャン後ビニール袋に入れてからエコバッグに入れる。
全てをスキャンし終えたら、お会計ボタンを押して、ポイントカードの有無など選択して、お会計方法を選ぶ。
現金の場合だったら、カバンから財布を出して開き、投入口にお金を入れる。
カード決済の場合だったら、財布からカードを抜いて、指定されたところにかざす。
バーコード決済の場合だったら、スマホを出してアプリを開き、スキャナにかざす。
これでレジの決済は終了だ。
エコバッグと空の買い物かごを持って出口に向かう。
無人レジの流れをざっと書き出してみたが、手数が多く、私は疲れてしまう。
特にお金を払う段階で、現金やカードの場合には、財布を出すのに、スマホの場合にはアプリを起動するのにもたついてしまって、全然スマートじゃない。
アプリでポイントカード提示、支払いは現金、という場合など、こっちを出して、あっちを出して、ともたつくことこの上ない。
やっとスキャンし終えたとほっとしているところを、「お支払い方法を選択してください」「お金を入れてください」とレジの機械から軽快な調子で繰り返し言われたときは余計焦ってしまう。
百貨店のお惣菜屋で、レジ前に来てやっと財布を出す人が苦手な中川家の剛さんが隣にいたら、イラつかせてしまうだろうなあ。
だから私は、2~3個の商品を買うときにだけ、無人レジを活用するようになった。
買い物量の多いときには有人レジに並び、店員さんが商品をスキャンしている間に、手元でポイントカードや財布を準備して、ゆとりのあるレジの時間を満喫している。
いま、何もかざさないまま通り過ぎるだけで乗車券を検知する自動改札機の開発が進んでいるという。
段取りの苦手な私のようなタイプのために、通り過ぎるだけで買い物かごの中身を合計してくれるレジの自動改札機も、開発されないかしら。

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