私は関西の出身、旦那は関東の出身だから、味覚が微妙に違う。
バラエティ番組で話題になる、卵焼きがしょっぱいのか、甘いのか論争については、さしてケンカもせずに、関西よりのしょっぱいほうで落ち着いた。
それよりもうるさく言われたのは、味の薄さだった。
それまで気にも留めていなかったが考えてみると、出汁文化と言われる関西地方では、素材の味を生かすような料理が多いかもしれない。お砂糖やお塩、お醤油を控えめにして、お出汁で料理の奥深さを出すような感じ・・・?
旦那と付き合った当初は、だし巻き卵の味が薄い、肉じゃがの味付けが薄い、と注文が多かった。
お味噌汁も、これ薄いよ~としつこく言われたので、食卓に並べる前に、毒見ならぬ味見をしてもらって最終調整するようにした。
台所に手招きしてスプーンでひとすくい、
「どう?熱いよ。」と聞くと、
猫舌の旦那はふうふうと息を吹きかけ、こぼれないようにそおっと口に運び、「うーん、もう少し。」とか、「いいんじゃない。」とか答えてくれた。
私には味付けが濃すぎると思ったら、私のお碗にだけお湯を足して飲んだ。
今はもう、好みの味付けが分かっているので、味見してもらわずとも、大丈夫だ。
向かいで黙々と箸を進めているのを見て、ほっとする。
ちなみに私は長らく土井善晴先生の「土井善晴のレシピ100」というレシピ本を愛用してきた。
玉ねぎのみじん切りすら満足にできなかった料理初学者の頃からお手本にして真似をして、私の食生活を支えた一冊である。
ふと、新しいことにチャレンジしてみようと思い立ち、今年の春に三國清三先生の「ザ・シェフ三國の究極家庭おかず」という本を買った。
三國先生については、以前、NHKの「最後の講義」という番組に出ていらっしゃったのを拝見して、そのお人柄や料理に向き合う姿勢に好感を持っていた。
三國先生の出す初めての家庭向け料理本との宣伝文句に誘われ、書店で立ち読みしたところ、私の知らない生姜焼きのレシピや、納豆を使った美味しそうなレシピが載っていて、作ってみたい!という創作意欲が湧き、よだれをふきふき、気づいたら足がレジのほうへ・・・。
早速、生姜の千切りをお肉で巻いた三國先生流の生姜焼きを作ってみたら、好評だった。
調子に乗って、旦那に週末食べたいものを聞くと、「肉じゃが」のリクエストがあったので、三國先生流で作ると、「いつものほうが旨い。」と一言。
家庭の味を創るのは難しいなア。
うちは、生姜焼きは三國先生流、肉じゃがは土井先生流でいきます。
今度は、三國先生の魚の煮付けにチャレンジしてみようかなあ。

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