猫を飼い始めたころ、旦那の友人から、その鳴き声の種類を聞き分けられるかどうかについて聞かれたことがある。
「はい。」と訝しんで答えると、
「男は聞き分けられないんだよねえ。」と返ってきた。
その友人は、昔実家で猫を飼っていたらしいのだが、お母さんが鳴き声を聞き分けて世話をしているのを不思議に思って見ていたそうだ。
うちの猫は、甘えたいときにはびゃーと鳴く。
にゃんにゃんと軽快に調子よく鳴くのは遊んでほしいときや、かまってほしいときで、
キャインとかキューとか鳴くのは、嫌なとき。
そして私を呼ぶときには、にゃおおんと声を響かせる。
「動物の種は違っても、母性本能が働くのかもね。」と懐かしそうにつぶやく声を聞いて、思い当たる節があった。
うちの猫は、スコティッシュフォールドの雄で、大層な甘えん坊さんだ。
今年の9月に1歳を迎えるが、こんなに甘えん坊で大丈夫なのかと時々心配になるほど。
例えば、私がトイレやお風呂に入るとドアの前で寝そべって待機している。
外出から帰ってきて玄関をガチャっと開ければ、廊下に座って出迎えてくれる。
新聞の中に挟まっているチラシをくしゃくしゃに丸めて投げると、口にくわえて持って来てくれる。
つくづく、犬みたいな猫だなあと思うのだが・・・
一方、旦那のほうはどうかというと、私にほどなついていないような気がする。
ドアの前で待機されることもなければ、お出迎えもほとんどしてくれない。
旦那が投げたくしゃくしゃのチラシには見向きもせず、忙しなく毛づくろいなんかをしている。
週末帰ってくる度、猫を抱き上げ顔を埋めてスリスリしているのよく見かけるのだが、猫のほうは迷惑なようで、しばらくするとキャインと鳴いて逃げてしまう。
仕方なく、俺は週末しかいないのに、お前は薄情なやつだなと言い捨てて、ソファで寝転がり、電子タバコを吸いながらtiktokやyoutubeを見ている。
そして動画を見飽きたり、水を汲むのに立ち上がったりするときに、
「どこにいるのかなあ?」
と、まるでかくれんぼをしているかのように探し出して、性懲りなくとっ捕まえてスリスリしている。
そうしてまた、嫌がられて逃げられる。
「そのスリスリが嫌なんだと思うよ。」と注意しても聞かない。
もともと、猫を飼いたいと言い始めたのは旦那のほうだ。
ペットショップで出会って見惚れたそうで、自分の肩の上に乗っている夢まで見たらしい。
そこまで期待させておいてなつかないのは、確かに薄情かもしれないなあ、と思うが、そもそも猫は勝手気ままな性格だ。
旦那には可哀そうだが、こればかりはどうしようもない。
ところが、先日、LINE通話で旦那と話していたら、猫がびゃーと鳴いて近寄ってきた。
旦那は即座に、「うんうん、甘えん坊くんだねえ。」と言った。
男の人は猫の鳴き声を聞き分けられないというのは、嘘かもしれない。

コメント